浦和、4試合連続白星なし 〜J1リーグ〜

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 29日、明治安田生命J1リーグ・セカンドステージ第5節が各地で行われた。埼玉スタジアムではファーストステージ優勝の浦和レッズが、下位のヴァンフォーレ甲府と対戦。開幕からの無敗記録が途絶え、連敗中の浦和は前半38分、PKを獲得し、MF阿部勇樹が決めて先制する。後半に入っても攻勢をみせた浦和だが、追加点を奪えない。すると、後半20分、カウンター攻撃を受け、甲府のFW伊東純也に同点弾を許す。決定機を決めきれなかった浦和は4試合連続未勝利に終わった。その他の試合はサンフレッチェ広島が佐藤寿人の12年連続2ケタ得点となるゴールなどで4−0とヴィッセル神戸に快勝。セカンドステージは無傷の5連勝を収めた。
 年間勝ち点も首位・広島と3差に(埼玉)
浦和レッズ 1−1 ヴァンフォーレ甲府
【得点】
[浦和] 阿部勇樹(38分)
[甲府] 伊東純也(65分)

 8月に開幕する東アジア杯で5名の日本代表を送りこむ浦和だが、セカンドステージに入って失速気味だ。
 前半から主導権は浦和にあった。14分、代表に選ばれたMF柏木陽介のCKにニアサイドで阿部が頭で合わせるが、ボールは枠の上に飛ぶ。16分にはポストプレーからMF高木俊幸が中央へ持ち込み、PA外から左足を振り抜いた。弾道はポストを直撃し、惜しくもゴールネットを揺らせない。

 さらに33分には、左サイドからMF宇賀神友弥のクロスに代表選出組のFW興梠慎三がヘディングシュート。これはきちんとヒットせず、枠をとらえきれなかった。

 押し気味の浦和は36分、右サイドからDF岡本拓也がクロスを入れてチャンスをつくると、クリアボールが再び岡本の足元に渡る。これを甲府MF阿部翔平が足裏をみせて止めようとしたため、レフェリーはファウルの判定。PKを得る。

 キッカーは阿部。相手GKの動きを見極め、一旦、動きを止めてから右足のインサイドで蹴りこむ。ボールはゴール右隅に決まった。1−0と先制して浦和は試合を折り返す。

 後半も浦和が相手陣内でサッカーを進める展開は変わらない。12分には代表初招集のMF武藤雄樹が頭で落としたボールをMF関根貴大が勢いをつけてミドルシュート。14分には左サイドからのパスに高木が抜け出したものの、シュートはDFに当たって河田晃兵にキャッチされる。

 さらに20分、柏木から武藤と縦につなぎ、興梠がスライディングシュート。これも河田がセーブすると、甲府は一気にカウンター攻撃に転じる。「裏を狙ってうまくかわせてシュートできた」と振り返った伊東が左サイドを駆け出し、前線へのロングフィードを受ける。スピードに乗ってマークについた岡本をかわし、右足を振り抜くと、ボールは代表GK西川周作が横に飛んだ先をすり抜け、ゴールに吸い込まれた。

 1−1。甲府の佐久間悟監督が「あの練習しかしていなかった。よく決めてくれた」と称える一撃で試合を振り出しに戻した。

 ホームで勝ち点3が欲しい浦和だが、岡本、柏木が負傷交代を余儀なくされ、効果的なカードを切れない。アディショナルタイムには、途中出場のMF梅崎司、FWズラタンとつないで、最後はDF槙野智章が右足を振り抜くも、またも河田が手を伸ばしてファインセーブをみせる。結局、勝ち越し点は生まれず、浦和サポーターからはブーイングも漏れるドローに終わった。

 快進撃を続けたファーストステージから一転して苦しい状況にミハイロ・ペトロヴィッチ監督は「非常に痛い引き分け」と疲れ切った表情だ。「(次節までの)2週間で気持ちを立て直して、自分たちのやり方を続けていくことを訴えたい。足りなかったのはチャンスを決め切る点。このまま続けてほしい」と選手たちには切り替えを求めた。

 代表に選ばれている柏木は足の付け根を押さえて自ら交代を訴え出ており、状態が気がかりだ。東アジア杯で主力選手が抜ける中、いかにチームを立て直すのか。浦和にとっては乗り切らなくてはいけない酷暑である。
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