シリアに5-0で首位通過 ~ロシアW杯アジア2次予選~

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 29日、2018FIFAワールドカップロシア大会のアジア2次予選(兼アジアカップ2019予選)の最終節が埼玉スタジアム2002で行われた。既に最終予選進出を決めている日本代表(FIFAランキング56位)はグループE組の首位をかけてシリア代表(同123位)と対戦した。日本は前半17分、相手のオウンゴールで運よく先制するも、追加点を奪えず1点のリードのままハーフタイムへ入った。後半はMF香川真司のゴールを皮切りに、FW本田圭佑、再び香川と得点を奪い、ロスタイムにはMF原口元気がゴールを決めて大勝した。

 

 本田、W杯予選6戦連続得点(埼玉)

日本代表 5-0 シリア代表

【得点】

[日本] オウンゴール(17分)、香川真司(66分、90分)、本田圭佑(86分)、原口元気(90+3分)

 

 E組1位で9月から始まる最終予選に進みたい日本はアフガニスタン戦で温存していた香川、本田らをスタメンで起用して試合に臨んだ。

 

 日本は得意のパス回しから多くのチャンスを作った。前半8分、MF長谷部誠がDF酒井高徳、香川と細かなパス回しから右サイドを突破する。GKを引き付けてFW岡崎慎司へラストパスを送った。しかし、岡崎のシュートはゴール左へと逸れていった。

 

 17分に待望の先制点が生まれる。左CKからのショートコーナーでボールを受けた香川がシュート性のクロスを上げる。相手GKがパンチングで防ぐものの、このクリアボールがシリアDFに当たってそのままゴールイン。ラッキーな形で先制点を奪った。

 

 その後はペナルティーエリア内でのワンタッチプレーを駆使しチャンスを作るが、得点に結びつけることはできなかった。前半はそのまま1点差で終了した。

 

 後半、最小リードで試合が進む中、不用意なミスからピンチを招くなどヒヤヒヤする時間帯もあった。しかし21分、シリアゴール前で本田がルーズボールを拾うと浮き球で香川へパスを出す。香川は胸トラップから反転し、左足を一閃。ボールはゴール右へと吸い込まれた。日本の背番号10がチームを楽にする追加点を奪った。

 

 41分、今度は香川が本田へアシストをする。日本はカウンターがハマり、左サイドを突破した香川が本田へピンポイントのクロスを供給する。このボールを本田が落ち着いてヘッドで左サイドを狙い、ゴールネットを揺らした。

 

 その後も香川、途中出場のMF原口元気が得点し、5-0で試合は終了した。香川は「前半からいいリズムでプレーできていた。みんなの流動性も含めて速いスピードでプレーできていた」と試合を振り返った。貴重な追加点となった技ありボレーについて香川は「うまく冷静に打てた」と自賛した。

 

 W杯予選6戦連続得点を挙げた本田は「勝てたことは良かった。でも課題の多い試合だった。もっと簡単に決められたと思うし、(味方に)決めさせられたと思います」と自身の出来に納得していない様子だった。日本が何度もピンチを招いたことには、悲観していない。「カウンターをこんなに食らったのは褒められるわけではないんですが、勝った試合でこの課題が出たのはいいことだと思います。ボランチの枚数をあえて前にかけて、課題が出たことは、僕はいいと思うんです」と語った。

 

 この結果、日本は2次予選8試合を無失点で首位通過した。しかし、最終予選はイランや韓国などアジアの強豪と対戦する可能性もある。これまで以上の厳しい戦いが待っている。最終予選は2組に分かれ、各組上位2チームが自動的にW杯出場となる。決戦までは残り約5カ月。課題を修正して、ロシア行きを決めて欲しい。

 

(文/大木雄貴)

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