パッキャオ戦、負傷・鈴木千裕の代打は安保瑠輝也!「オレが稲妻を落とす」 〜RIZIN〜

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 28日、格闘技団体『RIZIN』は緊急記者会見を都内で行い、7月28日にさいたまスーパーアリーナで開催する『超RIZIN.3』の目玉カードであるボクシング世界6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)の対戦相手を負傷の鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)から安保瑠輝也(MFL team CLUB es)への変更を発表した。

 6月23日に行われた『KNOCK OUT CARNIVAL2024 SUPER BOUT“BLAZE”』五味隆典(東林間ラスカルジム)との“師弟対決”の代償は小さくなかった。鈴木千裕は右手の中手骨を2箇所骨折。全治4カ月でパッキャオ戦を断念せざるを得なくなった。右手に包帯を巻いて会見に出席した鈴木千裕はファンに謝罪し、安保に感謝の意を述べた。

 

 それを受けて安保は、こう言った。

「今の心境としては、こんなメチャクチャ大きいチャンスが巡ってきて、ビックリしているワクワクしています。誰も鈴木選手を責める人はいないと思う。鈴木選手の無念の気持ちもオレが背負って、パッキャオ選手に本気で勝つ気で挑もうと思っている」

 

 鈴木千裕の負傷の報を受け、SNS上でパッキャオ戦に名乗りを上げていた安保だが、アピールは今回が初めてではなかった。今月2日に『BREAKING DOWN12』でスダリオ剛(HI ROLLERS ENTERTAINMENT/PUREBRED)との無差別級マッチを終えた翌日、榊原信行CEOの元を訪れた際にもパッキャオ戦を希望したという。「千裕との試合がフィックスしていた」(榊原CEO)ため、実現しなかったが、今回鈴木千裕のアクシデントによりチャンスは巡ってきた。

 

 試合前のトラッシュトークを辞さない安保も、“フィリピンの英雄”に対し敬意を払う。

「現役の世界タイトルを目指しているという情報もある。全力のマニー・パッキャオ選手の状態できてくれると思う。いつもだったら会見を盛り上げるために煽ったりもしますが、今回の対戦に関しては敬意とリスペクトを持って、倒しに行きます」

 ボクシングに準じたルール、相手の土俵でも斬られ役を演じるつもりはない。

 

 

 今回の体重は69kg契約。安保にすれば本来の階級より少し軽い。さらに言えば先述した『BREAKING DOWN12』のスダリオ戦は81kgで行ったため、身体づくりもキーポイントとなる。報道陣から「計量失敗のペナルティーはるのか?」と榊原CEOが問われると、安保は割って入り、「計量失敗する時は、格闘家を辞める」と言い切った。

 

 鈴木千裕が会見場を去る際、握手を交わした安保はこう誓った。

「無念の思いも背負って、さいたまスーパーアリーナの天井に穴が開くぐらいの稲妻落とすから」

“天下無双の稲妻ボーイ”からバトンを受け取った男は、7月28日、ボクシング界の生ける伝説に挑む。

 

(文・写真/杉浦泰介)

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