第792回 PL学園出身監督の不振と苦悩

facebook icon twitter icon

 交流戦を前に埼玉西武・松井稼頭央監督が“休養“となった。不振の責任を問われたかたちだ。松井はPL学園(大阪)の出身で94年の入団だ。

 

 

<この原稿は2024年6月17日号『週刊大衆』に掲載された原稿を一部再構成したものです>

 

 現在は活動を停止しているが、PL学園(大阪)といえば、高校野球屈指の名門だ。甲子園では春3回、夏4回優勝している。

 

 名選手の宝庫でもある。投手の出世頭はプロ通算173勝の桑田真澄だ。野手では2000安打以上を記録した選手が加藤英司、新井宏昌、清原和博、立浪和義、宮本慎也、松井稼頭央、福留孝介と7人もいる。

 

 しかし、監督として名を成した者は、まだひとりもいない。

 

 同校出身の監督は、現役も含めて5人いる。任期中の成績は次の通り。

 

 尾花高夫(1976年卒)

 2010年(横浜)6位

 2011年(同)6位

 平石洋介(99年卒)

 2018年(東北楽天)6位

 2019年(同)3位

 立浪和義(88年卒)

 2022年(中日)6位

 2023年(同)6位

 松井稼頭央(94年卒)

 2023年(埼玉西武)5位

 

 チームに優勝を争うだけの力がなかったと言えばそれまでだが、最下位の多さが目に付く。最高順位は19年、東北楽天監督・平石の3位。CSにも進出したが、石井一久GMの「中長期的に優勝を狙えるチームづくり」という方向性に適していないと判断され、惜しまれながらチームを去った。

 

 現役監督の立浪と松井(途中休養)は日本球界を代表する名内野手であると同時にチームの功労者でもある。早くから監督候補と言われていた。

 

 しかし立浪は2シーズンで2度最下位、昨季監督に就任した松井も5位と期待を裏切った。

 

 今季、新たにPL学園出身の監督が加わった。東北楽天の今江敏晃である。6月17日までの戦績は31勝31敗1分けでリーグ4位。

 

 では3年目の立浪中日はどうか。こちらは27勝33敗5分けで5位タイ。苦しい戦いが続いている。

 

facebook icon twitter icon
Back to TOP TOP