CS最後の2枠はKADOKAWA DREAMSとDYM MESSENGERS! ~D.LEAGUE~

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 日本発のプロダンスリーグ「第一生命D.LEAGUE 23-24 REGULAR SEASON ROUND.14」が19日、東京ガーデンシアターで行われた。チャンピオンシップ(CS)圏内を争う5位のKADOKAWA DREAMS(カドカワ ドリームズ)は2位のValuence INFINITIES(バリュエンス インフィニティーズ)に4対2で勝利し、2位に浮上。6月9日開催のCS進出を決めた。6位のDYM MESSENGERS(ディーワイエム メッセンジャーズ)は3位のKOSÉ 8ROCKS(コーセー エイトロックス)と3対3のドローも、7位のavex ROYALBRATS(エイベックス ロイヤブラッツ)が4位のFULLCAST RAISERZ(フルキャストレイザーズ)にCS圏内(6位以内)に入る条件である6-0のSWEEP勝利をできなかったため、順位は変わらずCS進出となった。

 

 DREAMS、MESSENGERS、ROYALBRATSの3チームに絞られていたCSの椅子取りゲームがレギュラーシーズン最終ラウンドで決着した。

 

 この日、最初に登場したのがMESSENGERSだ。4th MATCHで8ROCKSと対戦。8ROCKSのらしさ全開のシンクロダンスとブレイキンで、疾走感あるショーケースを披露。MESSENGERSは「KAI-HO」(解放)をテーマに緩急織り交ぜたディープでドープな雰囲気のダンスで魅せる。両チームはシーズンを通し、貫き続けたスタイル。信念のぶつかり合いにジャッジは3対3と白黒付けられなかった。これにより、MESSENNGERSのCS行きは、残り2チームの結果を待つこととなった。

 

 5th MATCHはCS出場が確定しているRAISERZvs.逆転でのCS切符を勝ち取りたいROYALBRATS。過去3シーズンをCS含め好勝負を繰り広げてきた両チームは、この日も白熱したバトルを展開した。先攻のRAISERZは「LAST PEACE」をテーマに今季からディレクター兼任となったKTRの苦悩や葛藤を描いたような観る者の感情に訴えかけるショーケースだった。対するROYALBRATSのテーマは「Straight」。ジャケット、ハットのスタイルで、小道具に椅子を使いながらシンクロ率の高いパフォーマンスを披露した。情熱的なKRUMPとクールでスタイリッシュなダンス。魅せ方は違うが、どちらも“直球勝負”の結果はROYALBRATSが4対2で勝利をもぎ取ったものの、SWEEPを逃したためCS進出の可能性はここで途絶えた。複雑な心境での勝者インタビュー。リーダーのJUMPEIは目に涙を浮かべながら「必ず帰ってきます! 見ててください!」と再起を誓った。

 

 6th MATCHのDREAMSは既にCS進出が決まっていたが、結果次第で順位が動く。2位浮上ならCSは最大2試合、3位以下なら3試合。「勝ったら2~4位、負けたらCS圏外なってしまうかもしれない瀬戸際ということも考え、この作品をつくりました」とMINAMI。ゴリゴリのHIPHOP、そして高難度のアクロバットをミックスした構成を見せた。終盤でTSYのひねりの入ったアクロバットで着地が乱れたのは気になったが、最後まで踊り切った。「あの振り付けは前日に変わったもの。それを今までこなしてきたTSYさんが誇らしいです」とDaichi。楽曲づくりにも携わったMINAMIは「今まで一番カッコ良くて楽しいHIPHOPができたと思う。大好きなみんなと踊れて、信じてこれて良かった」と、この日のショーケースに胸を張った。INFINITIESもコミカルな部分もありつつ、音ハメに加え、歌詞に合わせた振り付けで会場を沸かす。こちらも甲乙つけ難い戦いとなったが、結果は4対2でDREAMSが競り勝った。

 

 DREAMSは2年連続、MESSENGERSは初のCSとなる。DREAMSのDaichiが「前回チャンピオンの大きなプライドを掲げて、今回挑んだ。正直、今のままだと、簡単にはチャンピオンになれないと実感しています。そこをどう変えるか。みんなで乗り越え、生まれ変わって臨みたいと思います」と語れば、Yasminは「率直に楽しみ。スケジュールも密になってくるし、1日のスケジュールも密と聞いています。自分たちは体験したことがないので、自分たちのベストを出していく想像力を高めないといけない。ダンスを楽しめるくらいの余裕を持っていきたい。まだビビッています」と話した。

 

 4季連続のCS、“皆勤賞”を逃したLUXとROYALBRATS。これもリーグの競争力が増した証左と言えよう。LUXのリーダーTAKIは「D.LEAGUE自体のレベルがすごく上がってきていて、ダンサーのスキルに加え、リーグも盛り上がってきていると感じています。これからさらにリーグがどんどん大きくなっていき、レベルも上がっていくと思います」と実感を述べた。来季については「一旦休みます。それから会議して来シーズンへの体制を整えていきたいです」と本音をぽろり。隣のROYALBRATSのJUMPEIも「一旦休みたい」という言葉に深く頷きながら、今季をこう振り返った。

「リーグ全体のレベルが上がっていると思います。今季のD.LEAGUEの(ジャッジ)傾向が今までとは全然違うと感じた。今までなら“この方程式だったら勝てる”というものが180度変わった。それに悩まされた1年でした。そこに対応できたチームがCSに上がったと思う。そこは実力不足だったのかな。来季はシーズン中からでも(その傾向を)研究して勝てるように準備したいです」

 

 レギュラーシーズン王者としてCSで、8ROCKSとRAISERZの勝者を迎え撃つかたちのCyberAgent Legit(サイバーエージェント レジット)は、前ROUNDで今季初黒星を喫したが最終戦をSWEEP勝利で終えた。リーダーのTAKUMIが本人曰く「1シーズン目に病気で休んで以来」という欠場。理由は「CS制作の準備のため」(TAKUMI)ということだが、「鼓動と波長」をテーマに荒々しい和太鼓に合わせて踊った。「メチャクチャ誇らしかった。安心して任せられた。チームの成長を感じさせる」と仲間のパフォーマンスを見守ったTAKUMI。この日が24歳の誕生日でチームメイトから休養とSWEEP勝ちというプレゼントをもらった。

 

 またMVDはLegitのBBOY SHOSEI。1シーズン目から参加する初期メンバーだが、初受賞となった。「4年間やってきて初めてのMVD獲得はうれしいです。メンバーのおかげで自分が輝けた」と仲間への感謝を忘れない。リーダー不在の中のパフォーマンスについては「TAKUMIだからというのは全くない。サポートメンバーのために頑張ろうという気持ちは、ひとりひとりが持っていると思います」と言い、こう続けた。

「ただTAKUMIがサポートメンバーに回るということは初めての経験。TAKUMIはチームをまとめる力がものすごくあるので、プレッシャーや不安はもちろんありましたが、それでもたくさんサポートしてくれたので、すごくやりやすかったです」

 

 CSは6月9日、東京ガーデンシアターで行われる。Legitが挑むのはD.LEAGUE史上初のレギュラーシーズンとの2冠達成。DREAMSが連覇となっても初、8ROCKSが優勝しても2度目は初。CS常連のRAISERZ、初出場のINFINITESとMESSENNGERSの3チームはいずれも初優勝を目指す。いずれにしても初の冠がつく。

 

(文・写真/杉浦泰介)

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