FIGHT FOR JAPAN! 格闘技界がチャリティで団結
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(写真:キャンペーンのロゴ入りTシャツを手にする桜庭(右から3人目)と各団体の代表たち)
「戦後復興で力道山がそうであったように、格闘技を通じて日本に勇気、生きる力を示していきたい」
K-1の谷川貞治イベントプロデューサーはこの取り組みへの熱い思いを口にした。プロジェクトに賛同するのは、立ち技系のK−1、マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟、新日本キックボクシング協会、ニュージャパンキックボクシング連盟、J-NETWORK、RISE、Krush、BIG BANGの計8団体と、総合系のDREAM、サステイン、パンクラス、DEEP、ZST、ジュエルスの計6団体。日頃はライバル関係にある団体も少なくないが、「こういう時こそ仲良くして東北のために頑張っていきたい」(DEEP佐伯繁代表取締役)と被災地支援へタッグを組んだ。
今後は各団体が同じ旗印の下、チャリティ活動を実施し、義援金や収益を国連ハビタットを通じて被災者へ届ける。国内のみならず、海外にもその輪を広げる考えで、既に10日にサンディエゴで開催されたStrike Forceでは川尻達也と対戦したギルバート・メレンデス(米国)やゲガール・ムサシ(オランダ)などが趣旨に賛同し、ファイトパンツに「FIGHT FOR JAPAN」のロゴを入れて闘った。K-1の谷川イベントプロデューサーは海外で「FIGHT FOR JAPAN」と銘打った大会を開催する考えも明らかにした。
また、政界からは野田聖子衆議院議員も、このプロジェクトを応援。野田議員を中心に展開している「メンため活動」(エンターテインメントでストレスを発散し、元気になることを推進する活動)と連携し、K-1人気選手の入場曲を集めたCDをリリースする。CDは被災地に寄贈されるほか、1枚につき100円を寄付する予定だ。
プロジェクトの一環としては、今後、団体の垣根を越えた合同興行といったプランも考えられる。谷川イベントプロデューサーは「イベントがやりたくて、このプロジェクトを掲げたわけではない」としつつも、「Dynamite!!などの大きなイベントで何かできればいい」とその可能性に言及した。
震災前から格闘技界はスポンサーの撤退やメディア露出の減少もあり、厳しい状態が続いている。そこへ襲いかかった未曾有の大災害。関東圏では節電の問題に加え、会場の確保も難しくなった。メジャー団体であるはずのK-1やDREAMでさえ、主催のFEGが財政難に陥り、今年度のスケジュールが4月に入っても発表できないでいた。
「3本の矢ではないが、立ち技、総合が個々の活動だけではなく、格闘技全体として被災地の方に物資や勇気を届けていきたい。この活動が長く続くように頑張りたい」(パンクラス坂本靖運営本部長)
各団体が利害を越え、一丸となる今回のプロジェクト。この試みを被災地のみならず、日本の格闘技界そのものも元気にするきっかけとしたいところだ。
なおDREAMは5月29日にさいたまスーパーアリーナで、新設するバンタム級の日本トーナメントを開催。K-1は6月末に「FIGHT FOR JAPAN」をテーマに日本人トーナメントを実施する方向であることも併せて発表された。